気密測定をしてみました。

豪徳寺の二世帯住宅の完成にあわせ、気密測定をしてみました。長く使い続けるための家づくりをテーマにして設計をしていますが、耐震性や断熱性という性能面についても欠かせない条件の1つです。断熱性能を性能どおりに担保するためには、建物の「気密」がとても大切になってきます。なぜ気密が大事?なのかといえば、例えば暖かい服は体温の保温性にすぐれ、外気と肌はきちんと遮断されています。最近ではゴアテックスのように湿気は放出されても外気の流入は防ぐ衣類もあり、衣類の性能は「気密」によって担保されています。建物の気密性能もそんなふうに考えていただけるとわかりやすいかもしれません。

気密測定はこのような機械を持ち込んで測定を行います。気密はC値という値で表現され、1.0㎠/㎡を切ると一般的に気密性の高い住宅といえます。測定結果は0.55㎠/㎡、今回目標値を大幅にクリアすることができました。もう少しで0.5㎠/㎡を切れたかな。。という思いもありますが、これ以上に気密を上げるには窓を少なくしたり、引き違いの窓や引戸をやめたりと何か使い勝手を犠牲にしないと数値はなかなか下がりません。当たり前のことですが、家は性能だけよければよい家というわけではありませんので気候のよい時期は窓を開けることもありますし、生活する人の自由な暮らし方や感性に建物があわせていくという「暮らし方への性能」も大切ですよね。総合的なバランスがとれている家は、建て主さまの暮らしにメリットをもたらしてくれると思います。

引き違いのサッシは他のサッシに比べて少し気密性能は劣りますが、それでも十分な性能が出ています。

このようなインターホンなどの設置部に隙間が生じやすく、空気の通り道になりがちですが、手で触ってみても外気の流入はなく、壁や基礎からの流入はほとんどありませんでした。施工していただいた職人さんたちの仕事の成果はこんなところにも表れています。

 

坪井当貴
建築設計事務所

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