千葉県我孫子市の二世帯住宅の事例です。祖母、母、子世帯家族の4世代が1つの家で暮らすこと。二世帯住宅は同じ空間を共有する「同居型」と、生活空間が交わらない「完全分離型」に分けられます。敷地の大きさからこの家では「同居型」で計画を進めることになりました。多人数の生活が交わりつつ、生活時間帯のズレなどによるストレスを生まない空間的工夫とは何か、また空間を共有することで生まれる合理性と問題点には何があるのか、この家族にとって許容可能な混在のあり方を、細かく検討を重ねながら全体計画をまとめました。具体的には家の中に行き止まりをつくらず、回遊性のあるプランを基本とし、複数の出入口を設けることで、生活動線のバッティングを回避すること、収納場所の明確化し、それを利用する家庭内のルールをつくること、部屋の名前を限定せず、時間とともに変化する間取りの考え方、30年後を視野に入れたリフォームの可能性まで、長期的なビジョンを持った間取りプログラムを設計しています。1階に複数の駐車スペースを設けたことで、庭をつくることは叶いませんでしたが、代わりに2階に庭を設けたことで、「2階から庭を使う」という発想の転換や、土の持つ断熱性が1階の温度上昇を抑制することにも「屋根上の庭」は役立っています。

物件Data
用途個人住宅
所在地千葉県我孫子市
構造/規模木造在来工法/2階建て
延床面積136.63㎡ (41.33坪)
設計・監理坪井当貴建築設計事務所
施工青木建設株式会社

坪井当貴
建築設計事務所

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