東松山市で計画した三世帯同居型の住宅です。ご結婚された若いご夫婦にお子さんが生まれ、奥様のご両親との同居のため当初は二世帯住宅として計画が進みました。計画の途中からご主人のお母さまも一緒にという話が浮上し、それぞれ異なる家族が同居する三世帯住宅へと計画が変更されました。家族にとって皆が同居することへの希望と現実の生活が始まったときの乖離を生まないために、設計段階では共同住宅のような考え方を盛り込んだプランニングを提案しました。一般論的な家族同居の概念を一旦解体し、「独立した個人の集合体」として再編成する考え方を軸に据え、1つの住宅でありながら「家の中にある公と私」を明確に分けるような間取り構成としています。玄関ホールや階段、リビング、バルコニー等は居住者の共用部として捉え、シェアハウスのような使い方が可能となっています。それぞれの人生を生きてきた個々の時間をお互いが尊重し合い、新たな同居のステージを迎えるご家族にとって、この家がリーダーとしてまとめ役なってくれることを願っています。
用途 | 三世帯住宅 |
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所在地 | 埼玉県東松山市 |
構造/規模 | 木造2階建て |
延床面積 | 185㎡ |
設計・監理 | 坪井当貴建築設計事務所 |
施工 | 株式会社タカキホーム |
写真撮影 | 小林勇藏/ケイ・エスト・ワークス |