山梨県小淵沢での別荘のリノベーション事例です。都心の高層マンションに暮らす建て主は、医療分野を専門に世界で翻訳活動をされている女性。ご両親から受け継いだ別荘を改装するため、設計のご依頼をいただきました。約30年前に建てられた洋風造りの別荘は、建て主にとって思い出の場所でありながら、冬は寒く、使い勝手も悪いためどうしても足が遠き、別荘をもつ意味を見出せずにいました。東京から車で2時間半。世界を飛び回ってお仕事をされている建て主にとって、自分が心から安らげる空間をつくることにはやはり特別な意味があります。時間をかけてでもまた戻って来たいと思える場所。その貴重な時間を手に入れるための場所づくりがテーマとなりました。また冬場の寒さ対策のため断熱改修も同時に行い、床暖房によりより身体にやさしい温熱環境をつくるとともに、都内にお住まいのマンションのインテリア空間とは一線を画すような高いデザイン性のある空間づくりを目指しました。具体的には建て主が心地よいと感じる色使いや照明のイメージなどを集めながら検討を重ね、細部におけるデザインの工夫やその結果生まれる空間の清々しさを表現すること、建て主のもつ感性がこの空間に自然な命を吹き込んでいくように、各部の素材や色などのイメージを丁寧に打ち合わせで決めていきました。またキッチンや水廻りはすべて「ここにしかないもの」としてすべてオーダーメイドでデザインしています。この空間は日々忙しく活動されている建て主にとって、いつでも戻ることのできる「自分の原点」としてあり続けてくれることを願っています。
用途 | 別荘・リノベーション |
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所在地 | 山梨県小淵沢町 |
構造/規模 | 木造2階 |
延床面積 | 100㎡ |
設計・監理 | 坪井当貴建築設計事務所 |
施工 | ハシバテクノス株式会社 |