栃木県那須塩原にて３０代ご夫妻のための平屋の家をご提案してきました。当社設計の「ロングライフの平屋」の事例とコンセプトをご覧になり自分の暮らしにも共通する部分が多くありそう、ということから設計提案の機会をいただきました。「将来への時間」に目を向けていくことが計画する上で重要であると思っています。今の暮らしから１０年後の時間、１５年後、２０年後。家族の暮らしは変化し人数も増え、時間とともに暮らしのテーマは変化していきます。未来の変化に寄り添い続けていく家というものは、間取りを固定化しなくても、可変性のある「懐の深さ」を持っています。これから訪れるであろう家族の未来の姿を想像してみること。そうすると、時間の中で変わること（家族の人数や年齢、その時の生活環境）や変わらないこと（家の佇まい、外の風景、家の性能、動線等の合理性等）が見えてきます。家が未来の家族にとってプラスの資産になりえるかどうか、出来上がったプランを眺めながら、いつもそのようなことを思っています。

夏は強い日照を遮り、冬は日の光を奥まで届けるパッシブデザイン。真冬の寒さに耐える断熱気密の性能もパッシブデザインを支える大切な要素の１つ。窓から見える森の風景とその上に広がる空の景色をリビングの取り込むために天井と窓を高くし、十分な光と空気が常に循環する内部空間をイメージしました。いつか次の世代へ引き継がれる家として、ロングライフの平屋シリーズはこれからも時代のテーマになっていくことでしょう。

施工は那須塩原の斎藤建設様
自然素材を使った、正直で丁寧な家づくりをされている優良工務店です。設計提案をもとによい家をつくっていただけることを期待しています。