Story
いつか軽井沢に住みたい。60代ご夫婦のための終の住処として計画されました。ご夫妻はお仕事の関係で若くから20か国以上海外での生活経験があり、その共に歩まれた人生の時間を旅に例え、かつて訪れた軽井沢を旅の終着点として選ばれました。
自然を身近に感じ、ゆっくりと流れていく時間を手に入れること、また友人たちを招いてささやかな絆を育むこと、建物は落ち着きと趣きを持ち、暮らしを守るために必要な住宅性能と、時が経っても古くならない高いデザイン性をご希望されました。建物は周囲の環境に配慮するために低く抑え、軒の深い方形屋根とし、軒のラインが美しく見えるように工夫しています。この深い軒は、夏の日照を遮り、雪や雨に対して建物の保護や、生活動線を守る役割を果たしています。また季節による気温差や湿度の高い軽井沢特有の気候条件に即し、高い断熱性と気密性能を確保した上で機械換気を行うなど、長きにわたり冬場の安定した居住性能を確保できるように住宅内の環境設計を行いました。海外生活が長かったお二人にとっての夢を叶えるお手伝いができたことは、私にとっても大変光栄な経験でした。
用途 | 一戸建ての住宅(別荘兼終の住処) |
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所在地 | 長野県軽井沢町 |
構造/規模 | 木造 |
延床面積 | 100㎡(30坪) |
設計・監理 | 坪井当貴建築設計事務所 |
施工 | ハシバテクノス株式会社 住宅部 |
撮影 | 小林勇蔵 |