Story
多摩川の近くに位置する敷地。町工場を営むご家族のための二世帯住宅です。敷地は開放性があるものの、近隣には高層の集合住宅も建ち、大田区の新防火エリアとして指定されている場所での計画となりました。1階は親世帯、2階を子世帯とした完全分離型の二世帯住宅として設計し、それぞれ玄関や水回りは分かれています。1階はご両親の今後の暮らしに対応したバリアフリーのプラン、2階は子育て世代のご夫婦にとって使いやすい家事の合理化と回遊性のあるプランとしました。近隣の集合住宅が影響するビル風が強く、家の中と外とでは体感的に大きな違いがあります。内部環境を守るために高い気密性と遮音性に配慮しながら、日常ではマンション側からの視線を避け、ビル風から建物を守ると同時に、万が一の近隣の火災時には火の侵入を防ぐために有効な袖壁を外壁に設け、これが外観デザインの特徴にもなっています。性能面での堅牢さを兼ね備えながら、木・ガラス・コンクリート・鉄という素材感のバランス、建物が大きく見えすぎず柔らかなイメージになるよう色調を心がけました。暮らしの安全性を考える上で「耐震性」+「耐外性」+「防災性」をデザインした事例となりました。
用途 | 二世帯住宅 |
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所在地 | 東京都大田区 |
構造/規模 | 木造/準耐火構造 |
延床面積 | 210㎡(64坪) |
設計・監理 | 坪井当貴建築設計事務所 |
施工 | 醍醐建設株式会社 |